多剤併用は高齢者にどんな薬害が起こるのか?その対策は?

あなたは今、持病を持っていますか?
何箇所くらいの病院を受診されていますか?
何種類くらいのお薬を服用されていますか?

中高年になると病院へ通うことが多くなって来るのではないでしょうか。特に高齢になると行くところと言ったら、病院が多いと聞きます。病院へ行くと確かに、待合室には高齢者の方が多いですね。

ところで、ご自分の現在服用しているお薬の効果効能をご存知ですか?もちろん分かっていて服用しているものと思います。

でも、同じ様な効果効能(作用)のお薬があるかもしてないことは、どうでしょうか?

今回はお薬の服用は正しいのか、作用が同じものを服用していないか、必要でないお薬を服用していないかなどを含め、多剤併用についてご紹介したいと思います。

多剤併用することによって起こる有害事象

 

 

高齢者の薬を減少させるための取り組みがなされていることをご存じですか?
高齢者の多剤併用による副作用や、飲み合わせの問題などが指摘されています。

高齢者で薬を6種類以上服用すると、薬による体調不良(薬物有害事象)の発生率が上昇している事が、明らかになっていると言うデータがあります。

国としても、薬物有害事象を減らそうというのが取り組みの根幹のようです。

2015年には日本老年医学会が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」を策定しています。厚生労働省では2018年5月に「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」など、対策が講じられているそうです。

75歳以上になると腎機能が低下し、お薬が聞き過ぎる傾向にあり、薬が原因の健康被害が出やすいと言います。

多剤併用には2つのパターンがあると言われています。1つ目は一つの症状で受診しお薬を貰い服用したお薬で副作用が出た場合、副作用を治療するためのお薬が処方されることです。

2つ目は、複数の持病があるため複数の病院を受診していると言うことです。

高血圧や糖尿病の治療には3~4種類のお薬が出されることは普通のようですので、他の病気で複数の病院を受診していると6~10種類以上はアッと言う間です。

複数のお薬を服用することで起こる事象についても高齢者に多いのは、加齢による各臓器機能低下が挙げられると思います。

医療の現場では、ふらつきや転倒、食欲低下は歳のせいといわれ、見過ごされがちですが、多剤併用による事象であることも考慮し、お薬の減量や中止をすることも求められています。

高齢者にとって6種類以上のお薬は、「有害事象の発現頻度が高まると」日本高年医学会でも発表されています。

お薬の副作用は、気づかないけれど起こっている現象で、そこで同じ様な作用を持つお薬を服用すれば、副作用は増強されその時初めて副作用に気づく、と言うことがあるのではないでしょうか。

沢山の疾患を持っていれば、服用するお薬も増えると思いますが、副作用による副作用の治療をすることになってしまっては、本末転倒ということも、必要でないお薬は服用すべきではないと個人的には思っています。

お薬との付き合い方

少しでも健康を取り戻したいとお考えでしたら、お薬と上手に付き合う方法を学ぶことをおすすめします。

多剤併用による有害事象は多種多様です。病気によるものなのか、お薬の副作用によるものなのか、ご自分でも判断しにくいと思います。

お薬を沢山お持ちの高齢者にとって、今までの考え方を崩してでも、お薬の種類や量を減らすことは容易ではないかもしれませんね。

しかし、そのお薬を減らすことで、体が楽になるかもしけないと言ったらどうされますか。

掛け持ちで病院を受診することもなく、お薬の管理も楽になり、日常生活が楽しくなるかもしれませんね。

1: 作用が同じものを服用していませんか? 

薬による被害は、高齢者のみならず何方にもあり得ることなのですが、特に高齢になると、複数の疾患で複数の医療機関を利用されていることがあります。

同じ作用のお薬であっても、知らずに服用していることは多々あります。服用していることで症状は激減することはありません。

むしろ服用することで副作用が強く出て、ふらつきや転倒、食欲低下、睡眠不足、頻尿など多剤服用により、頻度の高い有害事象が現れます。

例えば、不眠で悩まれてお薬を出してもらうことは良くあります。不眠のお薬にはレンドルミン、ロヒプノール、ハルシオン、マイスリーなどが代表的なのではないでしょうか。

睡眠剤には、過鎮静(ふらつき、眠気など)、認知機能の悪化、運動機能低下、せん妄などの高いリスクを有しているため、高齢者に対しては特に慎重な投薬を要すると思います。

複数の医療機関を利用していると、同じ薬が違う名前で処方されることも多くあります。

気をつけなければならないのは、その様な時同じ作用のものを2~3種類服用してしまう可能性が高いと言うことです。

服用した結果、強いふらつきが現れ転倒し骨折したり、幻覚などの症状が出たりして認知症と間違われることもあるようです。

睡眠剤だけで無く、血圧やコレステロールなどを下げる薬、糖尿病や心臓病などの薬にも名前は違っていても、効能効果が同じ作用を持っているものもあるので注意が必要です。

お薬を受け取る際や服用する際には、他に通っている病院がありましたら、そのお薬がどの様な症状で、どの様な作用や効果があるのかを、十分確認することが重要です。

たとえ違う病気で受診したとしても、重複していることはありますので、医師や薬剤師に相談してみてください。

 

2:お薬の服用は正しいですか?

 

 

お薬を飲む際の注意として、今更ですがご存知でしょうか?ポイントとして挙げるとしたら、飲む時間・量・方法・期間・飲み合わせなどがあります。

お薬をのむ時はアルコールやお茶、ジュースなどで飲むことはタブーとされていますが、意外とお茶やジュースで飲んでいる人いませんか。

飲み物に含まれる成分によっては、お薬の効果が変わり副作用を起こすことがあります。これを相互作用と言います。

服用する量やタイミング(時間)などについても、朝飲めなかったからといって、お昼に朝の分も一緒になんてことも良くありません。

薬と薬との飲み合わせだけでなく、お薬と食品によっても良くない影響が出る事もあります。

お薬と食品によっては、危険な組み合わせが沢山ありますが、幾つか代表的なものを挙げています。

(一例)
・胃薬、解熱剤(アスピリン)+炭酸飲料水=薬効が炭酸飲料に対する中和が行われ、薄まって吸収率が悪くなると言われています。

・抗菌薬、抗生物質+牛乳、ヨーグルト=牛乳に含まれているカルシウムは、腸で溶けるように作られているお薬の成分と結びついて吸収を弱めます。お薬の効果は減弱したり効果が無くなったりします。

・睡眠薬+アルコール=お薬の効果が強くなり、眠気が強くなりだけでなく、場合によっては意識が無くなることもあります。

・降圧剤+(カルシウム拮抗剤)+グレープフルーツジュース=薬の代謝が阻害され体内に留まる時間が長くなり、必要以上に効果が出てしまう可能性があります。

副作用として血圧低下や心拍数の増加が起こり、めまいや頭痛、顔面蒼白などの頻度が増加することがあります。

・ワルファリン(血液をサラサラにする薬)+納豆や青汁=ビタミンKを多く含む食品には作用を弱める性質があります。

納豆には腸内でビタミンKを作り出す納豆菌が多く含まれています。注意が必要な食品です。同じ大豆製品でも含まれる量が少ないので、問題にはならないと思われます。

クロレラ食品や青汁にも、ビタミンKが多く含まれるため、避けたほうが良い食品です。

・総合感冒薬、睡眠導入剤+コーヒー=カフェインは風邪薬にも含まれており、成分の重複による副作用が起こることがあります。

また、カフェイン自体の興奮作用による睡眠導入剤などの本来の作用を減弱にします。

・免疫抑制剤、強心剤+セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)=肝臓で薬を代謝する酵素を誘導し、薬の効果を弱くしてしまいます。

セントジョーンズワートは健康食品やサプリメント、ハーブティーなどに用いられています。

自己判断でお薬を止めたり、飲む量を変更したりすることは良くありません。用法用量はきちんと守って服用することをおすすめ致します。

 

3:必要でないお薬を服用していませんか?

 

 

最後になりますが、身近な人、家族に高齢者がいてもお薬の管理は本人に任せていませんか。任せることも大事ですが、時々は確認をしてあげるのも優しさではないかと思います。

高齢者にとって「お薬命」という方もいらっしゃいます。でも、お薬によって新たな病気を引き起こしていることを知ったら、きっと考え方も変わるのではないでしょうか。

そこで、本人はもちろんのこと、身近にいるご家族が協力をしてお薬の確認や管理をすることについて考えてみましょう。

・病院を一箇所にする。
たとえ病気が違うからと言え、病院を複数受診していると、見てくださる医師も服薬しているお薬までは把握していないことがあります。

できれば一つにするか、無理なようであれば、服薬しているお薬の内容が分かるようにお薬手帳を持参すると良いでしょう。

また、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師をみつけることも重要で、お薬の服薬状況が直ぐに分かりやすいということが特徴になります。

・必要以上のお薬は拒否する
高齢者のお薬による有害事象は6種類以上と言われています。少ないことにこしたことはありません。できれば優先順位を決めて、治療に欠かせないお薬を選択してみてはいかがでしょうか。

自分の身体を診ていただいている医師とも十分相談をして、必要最小限にしてもらうことも、自分自身を守ることになると思います。

ただし、素人判断で減量したり、中止したりすることはいけません。離脱症状と言って薬物やアルコールなどの嗜好品を、減量や中止することで生じる様々な身体的・精神的症状のことで禁断症状とも呼ばれています。

症状としては不安、不眠、不穏、焦燥、イライラ、集中力の低下、注意障害、せん妄、幻覚、興奮状態、などの精神的症状や頭痛、めまい、耳鳴り、発汗、しびれ、視覚障害、けいれん、食欲不振、感覚敏感などの身体的症状などがあります。

高齢になると病気との付き合いも長く、お薬とも長く付き合って来ていると思うので、減量や中止をする際は医師の指示の下、慎重に行うのが良いでしょう。

・あらたな自覚症状について報告する
新しいお薬を飲み始めて現れてきた症状はきちんと伝えるようにしましょう。

薬の作用によっては現れ方も様々で、早かったり強く感じたりするなどがあります。いつもと違うと感じたらその都度、医師へ伝えることも重要です。

おわりに

加齢とともに衰えていく身体は大切にしたいものです。しかし、大切にするということと、「お薬を出して貰えば大丈夫」ではありません。

多くのお薬を服用することで引き起こしてしまう病気や怪我は少なくありません。

人間の身体には自然治癒力が備わっています。その力を薬は奪ってしまいます。

薬は医師が出すから飲まなくてはいけないものではなく、必要なものを、必要量服用する方が良いと思います。

自分の身体を守るのは自分しかいません。医師や薬剤師と相談をしながら、減量する努力をいたしましょう。

最後までお読み頂きありがとうございます。

投稿者: @waka.

はじめまして 定年退職を機にブログをはじめましたwakaです。 還暦を迎え仕事を辞めて、これからの自分の人生の ライフスタイルに、自由に楽しみながら、誰かの お役に立てないかとブログを立ち上げました。 全くの素人からのスタートです。 ゆっくり、のんびり、てくてくと歩みたいと 思っております。 訪れた方に感謝致します。